II‐5座ぐり・皿座ぐり径の設定におけるコストダウンのポイント

細かな径の加工のために、工数がかかる

座ぐり加工の指示の中で、径の細かい寸法指示があることがあり、その為に工具を製作するか、または機械加工で加工しなければならず、非常にコストが上がってしまいます。

座ぐりの径に関しては規格があり、上記表に該当する値にすれば規格に沿う事ができ、特別な工具を製作することもなく、コストを抑えた加工ができます。

設計技術者は設計段階において座ぐり・皿穴の一般的なサイズを把握し、その寸法に従って設計をすることがコストダウンのポイントになります。

II‐4ねじ穴径選定におけるコストダウンのポイント2

タップ径が違うため、加工段取りがかかる

1つの物にタップ加工の種類が複数あり、何回も段取り替えを行わなければならなく、工数があがり、コストアップにつながります。

タップ径を統一することで、加工段取りを低減

できるだけ同じサイズのタップ加工にすることで、加工段取りが少なくすることができ、コストダウンが可能となります。

複数の穴加工が必要な場合、必要な強度から径を計算するだけではなく、加工の段取りを少なくするために、極力穴種を減らすことが設計のポイントになります。

II‐2精度の見極めによる加工方法の選択のポイント

プレート等の部材を溶接する構造の物で、そのプレート面に削り加工や、タップ加工がある場合、溶接後にそれらの加工を行うと、作業性が悪く工数が必要となります。もしくは、大型の機械で加工しなければならず、コストアップになってしまいます。

平行度や穴ピッチに精度を求めない場合、削り加工や、タップ加工を溶接前加工にすることで、加工工数が低減され、コストダウンができます。

組み合わせ部品の場合、作業の順番が加工工数に大きく影響を与えます。必要な精度を見極めることは、加工の段取り時間の短縮や専用の治具が不要となることにつながるため、コストダウンのための大きなポイントとなります。

II‐3ねじ穴径選定におけるコストダウンのポイント1

タップ加工を行う際、小さい径の物は下穴加工を行い、それからタップ加工を行わなければならず、加工工程が増えることで、コストアップとなってしまいます。またM4未満の小さい径のタップ加工は、工具が折れやすく加工工数がかかるため、コストアップにつながります。

使用する材料の板厚の2/3以上の下穴径になるように、ネジサイズを選定できれば、レーザー切断工程で下穴まで加工できるため、工数の低減が可能となり、コストダウンにつながります。

M3以下の小径を加工する場合は、加工時に神経を使うことが必要となります。そのため、不必要な小さい径や深穴の加工を避けることが可能であれば、その分コストダウンにつなげることができます。

II‐1板金構造を利用したカバー設計の提案

溶接によるカバーの固定

溶接によるカバーの固定

カバー等の留め方について、複数箇所をボルトで留めるやり方が一般的になります。しかし、電動工具の使用による締結のための手間が発生し、組立に時間がかかります。

フックによるカバーの固定

フックによるカバーの固定

取り付け部分をフックのような形状で相手部材と接合した後、そのフック部分に留め具を差込む固定方法を採用します。他にも取外しが頻繁に行なわれる部分ではマグネットによる固定方法も効果的です。 

カバー等はネジなどの締結部品による固定が一般的ですが、強度を求めない固定の場合、フックやマグネットによる固定方法が組立工数を削減することができます。また現場で使用する際にもメンテナンス性が向上します。