設計技術者が知っておくべき加工工程

板金加工の工程

板金加工は設計図面にかかれた形状にするために、主に以下の順番で製作されます。

 工程設備・機器工程
1 切断加工
抜き加工
レーザー
タレットパンチ
ウォータージェット
鋸盤
部品を鋼板から切り出すことや、最終形状に近づけるために切削加工・抜き加工をします。鋼板の板厚や材質や形状によって、機器の得意、不得意があるため最適な方法を選択・加工します。
2 穴あけ加工
タップ加工
ボール盤
ラジアルボール盤
部品に機能を持たせるための、穴あけ、ボルトを固定するためのタップ穴をあけます。
3 曲げ加工 プレスブレーキ
ベンディングロール
ダイと呼ばれる型に板を乗せ、押し金型によって任意の形状に変形加工をします。
4 溶接 MIG,MAG,TIG
YAGレーザー溶接
2つ以上の金属を接合します。材質や仕上げによって溶接の種類を選択します。
5 機械加工 マシニング加工
五面加工
工作機械によって精密な加工を行います。金属を削ることで求める精度をだします。
6 研磨加工 バレル研磨
バフ研磨
部品表面を粒子や砥石によって磨くことで、加工跡を目立たなくしたり、光沢を出します。
7 表面処理 塗装
鍍金
部品表面に処理をすることで皮膜を形成し、防錆・断熱・耐熱などの機能を付加します。

板金加工の主な工程順序

設計段階で部品コストの80%が決定する

板金部品は設計図面に従って上記工程を中心として製作されます。設計図面によって必要な加工工程が導きだされ、その加工方法と使用する材料によってコストが算出されます。そのため、製品コストの80%が設計段階で決まることになります。設計技術者は部品コストの決定に大きな影響力を持っていることを自覚し、価格競争力のあるローコスト製品を製作するために設計段階から加工工程まで考慮したVA/VEを実施する必要があるのです。

設計技術者は市場で価格競争力のある製品を設計するために、加工の知識は必須です。次頁より上記各工程別の設計段階からのコストダウン事例(VA/VE)をご紹介します。