I‐2精度の見極めによる素材選定のポイント

過剰な品質例

特に精度を必要としない部位であっても、規格にない寸法指示があると、レーザー加工による切出し後に切削加工で削り出しが必要となります。そのため工数が掛かりコストアップの原因となります。

ムダのない品質例

部品のはたす機能に問題がない場合、上記のようにミガキ板に隅肉溶接による接合を採用することで、仕上工程の手間を大幅に短縮することができます。

設計技術者は部品の使用用途や使用場所を把握することで、過剰品質を防ぐことが可能となります。上記のように、切削が必要な面と必要ではない面と分けることによって、加工工数を削減し、コストダウンが可能となります。

I‐5物流コストから見た設計のポイント

運搬時のトラック積載容量

運搬時、使用するトラックサイズが大きくなるにつれ、運搬費も高くなります。寸法のわずかな違いで、大きなトラックにしなければならないこともあります。

4tトラック積載例

一般的に多い4tトラック(約W2350xL6200xH2800)に収まるようにすることで、運搬費を抑えることができます。

大型の構造体の運搬もトータルコストを考えた時にコストとして発生します。 設計技術者はトラックへの積み込み時の寸法を把握・考慮することで、トータルコストの削減を実現することができます。 

I‐3接合構造の変更による溶接工数削減のポイント

メクラ板が必要

 

角パイプやアングル、チャンネル等の型鋼を接合する場合、材料を90度にカットして接合すると、メクラ板が必要となり、コストアップにつながります。

メクラ板が不要

部材のカットを45度で行えば、メクラ板も不要となり、コストダウンが可能となります。また外観も良くなります。

フレームや架台にパイプ形状の鋼材を使用する場合、接合構造の見直しによりメクラ板等が不要となり、材料費や加工工数が低減でき、コストダウンが可能となります。 

I‐4CADデータ提供によるプログラムコストの低減

複雑な形状のCAD図面

複雑な形状で、穴や切欠等が多い図面の場合、CAD作成時間が非常に掛かり、コストアップとなるほか、見落としや入力ミスが発生する危険性があります。

複雑な形状のCAD図面2

図面データがあれば、それを変換・加工する事でCAD作成ができるため、作成時間の短縮が可能です。また、コストダウンに繋がるほか、見落としや入力ミスもおこらず、細部まで正確なデータが作成できます。 

CADデータの有無でプログラムのコストが変わってくるため、データ上の受け渡しが可能な場合はできるだけ活用することがコストダウンを実現します。

I‐1規格材料の使用によるコストダウンのポイント

規格サイズ、通常在庫

細長い形状のプレート部材が必要な場合に規格サイズ外のフラットバーを指定すると、レーザー切断で鋼鈑から切断を行うか、機械加工で削り出す加工が必要となります。更にその後、歪み取り工程も必要となるため、非常にコストがかかってしまいます。

LMリニアガイド

細長い形状の場合、フラットバーの規格サイズに合わせることで、巾寸法の切断や切削等の加工工程を省くことができ、コストダウンが可能となります。

流通性の高い規格材料を使用することで、加工工数を大幅に削減することが可能となり、コストダウンへとつながります。